埼玉 Saitama
9月2日, 3日 Sep 2-3
Art & Breakfast Day in Minano
開催者: 土日画廊
会場 : 美術家 安藤祐氏アトリエ
埼玉県秩父郡皆野町日野沢
Art & Breakfast 開催時間: 夕方から翌日午後まで
予約: 招待者のみ参加可能
定員: 10人
参加費: 要(食費等実費)
問い合わせ電話番号: 03-5343-1842
2017年6月30日に発行された「今泉省彦遺稿集」を中心に、今泉さんの思いでを語り合い、また1950年代から美術運動に参加していた遠藤昭さんを囲んでお話を伺います。
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9月2日(土)午後4時過ぎに秩父、皆野町日野沢の美術家安藤祐さんの家に集合。かつて養蚕が盛んだった
日野沢は今では限界集落と言っても差し支えないくらいの山間の過疎地。空き家だった農家を使い勝手
良く自力で改築した、しばらくぶりで実家に帰ったような気分になる居心地の良い家です。
参加者は老若男女12名で、主に曾て美学校で学んだり、今泉さんと長い間親交のあった方々です。
まずは秩父33カ所札所巡りを達成した後にご褒美で訪れる”満願の湯”で汗を流し、午後6時過ぎから
すき焼き鍋をぐつぐつと煮ながらぼつぼつと始まりました。
テーマ:"「今泉省彦遺稿集」と戦後美術のパワーの源とは":
遺稿集に出てくる言葉を拾うと、「美学校」が世に誕生する以前の、過激思想育成教育とか自立学校、
「女のヒモで暮らす」、とか、怪しい言葉が所々に出て来ます。
50年代中頃から70年代にかけての美術運動の、この危うくも圧倒される”エネルギーの源”を探りたいと、
一般論としてのアバンギャルドではない、リアルタイムでまさにこの時代を美術に携わってきた遠藤昭
さんの話を聴きたいということと、また、遺稿集編集を手がけた照井さんから"今泉さんの魅力の本質"
を遠藤さんの話と絡めてお話を伺うことを目的といたしました。
とは言え単なる講演会ではなく全員が自由に話に参加ができという場でもあり、他の参加者の話も聴く
事が出来て一層充実した時間となりました。
参加者紹介
今泉省彦:美学校設立(1969年)に関わりまた前校長 2010年逝去(享年78歳)
遠藤昭:高等学校や聾学校等で美術教育に携わりつつ作品制作。分野は立体、平面ほか多岐に渡る。心は自由自在。やりたい事をやりたいようにやるがモットー。86歳今泉さんとは二人が学生時代に知り合った。
照井康夫:文芸春秋社にて数多くの書籍をてがけた。1982年に今泉省彦に出会う。
他に美学校一期生の安藤祐、二期生の甲賀勝雄は美学校唯一の特待生。ほかにも卒業・現役の美学校生、家族参加もありました。
話は遠藤さんと今泉さんとの出会いから始まり、美学校の創成期のことや今泉さんの美術の考え方などなど、興味は尽きずとうとう日が変わるころまで続き、深夜の満天の星の下で就寝となりました。
内容はここでは省きますが、後日 撮りましたビデオを編集の上 youtube に掲載を予定しています。
●「今泉省彦遺稿集-美術工作者の軌跡」(海鳥社)の情報は土日画廊ホームページにも掲載しています。
●本の購入をご希望の場合は書店、海鳥社、土日画廊でも取り扱っております。
翌朝も快晴。安藤氏宅から歩いて7~8分程登り弘法大師の足跡といわれる石がある「藤原安産堂」まで散歩。
寝不足の脳がすっきりしたところで、2階のアトリエ空間で安藤氏の描きかけの大きな作品に囲まれコーヒー
とブレッドの簡単な朝ご飯。
本来はここからがArt and Breakfastの始まりなのですが、参加者のエネルギーは前夜すでに費やされ、みな多
くを語らず。2013年の東日本大震災のDVDを観ることとなりました。
午後2時頃終了しました。
この時間が将来何か形になるかどうかは解りませんが、戦後日本美術の歴史のひとこまががその実践者の言葉
で語られているということは重要なことだと存じます。
今後も遠藤氏には継続してお話を伺って行こうと考えています。残しておけば次の世代に役に立つことがある
かも知れませんから。(土日画廊)
